2021/05/18 17:57
こんにちは、atelier dress yellow bird /デザイナーのyukiです。
名古屋にある小さなアトリエで、リネンの洋服を仕立てています。
以前は、陶器会社が経営する麻の生地と洋服の専門店で店長兼、デザイナー&パタンナーをしていました。
atelier dress yellow bird をスタートしてから、
リネン(麻)のお洋服を何百枚(もうすぐ1000枚!)と仕立ててきましたが、
こちら(WEB)で、リネン、麻のことをきちんとお話ししていなかったなと思い、
遅ればせながらではありますが、
リネン、麻のことなど、少しずつお伝えしていけたらと思います。
今回は、麻の種類と特徴を、要点になりますが、まとめてみました。
読んでいただくと、下記のことがざっくりと理解できるようになります。
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・麻といってもいろいろある(リネン、ラミー、ヘンプなど…)
・麻(リネン、ラミー)の特徴、性質
・リネンはチクチクしないのね
・麻が涼しいと言われる理由
・麻って、夏だけの素材じゃないのね
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それでは、どうぞ。
⚪️「麻」といっても、いろいろあります
麻は、セルロースから構成される植物繊維です。
麻と言ったり、
リネン、ラミー、ヘンプ、ジュート… など、聞いたこともあるかと思いますが、
日本では、その総称として「麻」と呼ばれています。
「麻」の種類は、
リネン(亜麻・あま)、ラミー(苧麻・ちょま)、ヘンプ(大麻)、ジュート(黄麻)など、
20種類近くあります。
それぞれまったく異なる植物からとれる繊維で作られているため
その特徴や印象は、共通するところもありますが、大きく異なるところもあります。
一般に「麻」と聞くと、
「チクチクする」「シワになりやすい」「夏の素材」などのイメージが思い浮かぶと思いますが、
これは、すべての麻に共通するものではありません。
リネンは「チクチクする」は当てはまらず、むしろ、ソフトでなめらかな肌触り。
ヨーロッパでは古くからシーツやランジェリー、キッチンクロスなどに使われ、
人々の暮らしに溶け込んだ身近な素材として親しまれてきました。
⚪️衣料品の品質表示で「麻」と表記できるのは、リネンとラミーの2つだけ
沢山ある麻の種類の中で、日本の衣料品の品質表示で「麻」と表記できるのは、
リネンとラミーの2つだけです。
リネンとラミーは、麻の中でも、とりわけ柔らかで吸湿・放湿性に優れています。
dress yellow bird でお洋服として使用している麻生地も、このリネンとラミーの2つを使用しています。
リネン100%のもの、ラミー100%のもの、リネンとラミーの混紡のもの。
また、綿やウール、シルクと混紡した生地(コットンリネン、リネンウール、シルクリネン)も使用しています。
⚪️麻(リネン、ラミー)の特徴
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①夏は涼しく、見た目もさわやか
②さらりとした肌触りと、優雅な光沢と雰囲気のある生地感
③丈夫で長持ち
④汚れが落ちやすく、衛生的
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①夏は涼しく、見た目もさわやか
麻の繊維は、中が空洞になっているため、
夏は、通気性と速乾性に優れ、熱をすばやく逃してくれて涼しく、サラッとした肌触りで過ごすことができ、
冬は、体温で暖まった空気をたっぷりと含み保湿性にも優れていて、体を暖かく包んでくれます。
麻は涼しげな見た目で、夏のイメージがありますが、
実は、春、夏、秋、冬、気候に合わせて、通気性と保温をバランス良く保ってくれる優秀な天然繊維で、
1年を通して快適に使ってもらえる素材です。
②さらりとした肌触り、優雅な光沢と表情のある生地感
リネンとラミーは、繊維そのものに光沢があり、優雅で上品な印象があります。
肌触りは、リネンは、なめらかでサラサラとして、触れてもチクチクせず柔らかく、
ラミーは、リネンよりシャリ感があり、ひんやりと感じます。
糸が太く粗いものは、ときにチクチクとすることもあります。
また、シワがつきやすいのが欠点とも言われますが、
生地の厚みや糸の太さや、織り、加工によってもシワの出方は異なり、シワがあまり気にならないものもあります。
自然なシワは表情があり、こなれた雰囲気があり、それも良さの一つとして楽しまれてください。
③丈夫で長持ち
天然繊維の中で最も強度があり、
水に濡れるとさらにその強さが増すため、丈夫で長持ちします。
さらに、使うほどに風合いが増して、くったりと肌に馴染んできます。
使うほどに古くなっていくのではなく、肌触りがどんどん柔らかくなり、色が淡くなっていく変化も、
時とともに育つ楽しみとして味わってもらえる素材です。
④汚れが落ちやすく、衛生的
汚れがついても染み込みにくい性質があり、天然の抗菌性があると言われていて、
洗濯で汚れが落ちやすい特徴があります。